クールで凶暴なインスト【PISTOL JAZZ】

クールネスと凶暴性が同居したダンサブルなインスト…突然変異のような個性を持って、2009年の高知ロックシーンに彗星(すいせい)のように現れたトリオ。
彼らの曲名を、そのままキャッチフレーズとして使わせてもらおう。「室戸の海賊」と。名前はPISTOL JAZZ。8ビート以外の複雑な4拍子のリズム…マンボやボサノバ、いや3拍子までをも16小節、32小節ごとに微妙に変えながらたたき込むドラムの東野敦夫(38)。ループランニングし続けるベースの森本正文(39)。そこにエッジの利いたザラザラしたリフや、浮遊感あるメロディーをギターの瀬戸崇生(37)がのせてくる。
それは「1990年代にヨーロッパ映画のサントラやフレンチポップス、クラブジャズのレコードを聴きまくった」瀬戸の頭の中で鳴っている音を、3人で再現したもの。
ジャジーで、ロッキン、パンキッシュでもある。幼なじみで中学生のころから楽器に打ち込んだ3人が、十数年前、地元・室戸での年1回のバーベキューパーティーで演奏するために結成。東野が自宅の工場に設けたオーディオルームで「パーティーの前にちょっと練習して」、ジミ・ヘンドリックスやジャミロクワイ、ジャザノヴァなどをカバーしていた。
それが、生まれ変わる。2008年1月のことだ。前年、小中学校時代の同級生が亡くなる。高知から世界を席巻したハードコアバンド、DISCLOSEを率いた川上秀樹が。そのことが頭によぎり、瀬戸は思った。「自分はこのままで死んでいいのか」。東野に電話した。「音楽しか取りえがないなら、もっとちゃんとバンドをやろう」曲作りを始め、練習を重ね、CDを自主制作。
それが他のバンドの耳に届き、昨年1月、高知市内のライブハウスに初めて呼ばれた。
以来、月1〜2回のペースで出演するようになった。「JAZZ。それは自由って意味」「荒削りでいい。安心して聴ける音楽はやりたくない」と、ライブは3人の即興。長い付き合いで性格も知り尽くしている“海賊トリオ”は、さらなる「息が合う」瞬間を目指す。「ライブに没頭して、3人の感情がぴたっとはまって、弾こうとも思ってなかったフレーズが出る…そんな即興をやりたい」





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